健康を創る!!　尊己及人(己を尊び人に及ぼす)

　人は案外、浅知恵である。世の中にたった一つしかない宝を一番粗末にしている。その宝は、己自身である。 　着物やお金などは、大切にする、けちけちする。又、人から悪く言われたりすると腹を立てるが、その実、自分自身は一向に大切にしておらぬ。 　いわゆる保健衛生に注意せず、命を縮めていることについては、ここに記するまでもない。人は働けば健康である。怠ければ体は弱る。それに、何とかして仕事はすまい、上手いものは食べたい、楽はしたいと願う。これは命を縮めたいということになるのである。とりわけて、おそれ、いかり、悲しみ、ねたみ、不足不満の心、それはただに、一切の病気の原因になっているだけでない。生活を不幸にし、事業を不振にしするもとであり、己の不幸をまねく根本原因であることを知らぬ。 　最も己を大切にすることは、自己の個性を、できるだけのばして、世の人のために働かすことである。 　己の大きな向上、躍進、完成は、己を空しくすることである、身をささげることである。ここに真の幸福が添うのである。 　己を尊ぶの極は、ささげるにある。 　自他一如、捨我の絶対境である。 　　　　　　　　　　　　万人幸福の栞(17箇条の抜粋)